【兄が反抗期をやめた理由】《日々5》

2025.2.12

日々想うこと

私には3人の兄と1人の姉がいます。

1番目の兄と3番目の兄は優しいのですが、

2番目の兄の反抗期がすさまじいものでした(笑)

中2から始まり、こじれにこじれて37才で暴れるのを止めるまで、

24年間、反抗期をやっていました。

これって、「反抗期」って言えるのかなー? まあ、いいや(笑)

兄の場合、「反抗期をうまく対処できずにこじらせると、こうなりますよ」という典型だったように思います。

「中2」って、心は子供から大人への階段を上り始め、

部活が始まり、先輩・後輩だとかの新しい人間関係も学びつつ、

勉強も難しくなり始め、

成績に順位が付くようになって、

先生も親も本人も「成績」を意識し始め、

更に「高校受験」なんてワードも出て来るようになり、

子供には多くの新しいストレスが急に降りかかってくる時期でもあります。

本人に何か一つでも自分に自信が持てるものがあったり、

何か好きな趣味があったり、

何か目標でもあるとストレスも少しやわらぐのかもしれませんが。

でも、反抗期の子供が道を逸れないように支えられるのは、

やっぱり最後は親なのかな、と私は思ったりもします。

例え、子供を強く叱ったとしても、親側の根底に

「何があっても、あなたが大事だよ!という愛情を失わないこと」かな~…みたいな?

我が家の場合は、兄の反抗が激しかった為、

祖父母もお手上げ、

他の兄達の努力も空しく、尤も、彼らは早々と自立して行きましたし、

母は泣いたり、オロオロするばかり、

父はこんな家庭が嫌になり、

毎日のように夜な夜な飲み屋街に繰り出し、深夜の帰宅。

たまに「今日はウチで夕飯を食べるんだなー」と思って見ていると、

夕飯を食べ終わった後に、いつの間にか

いなくなったりしていて、まるで忍者のようでした(笑)

しかし、毎日がこんな殺伐とした我が家庭でしたが、

祖父母と兄弟が不在の時に、

父と母が楽しそうに2人きりで「キャッキャ!」とゲタゲタ笑っているのを、

たまたま垣間見たことがあり、

私はとても嬉しかったのを覚えています。

「こんな仲が良い部分もあるのだなー」と安心したのです。

今でもその光景をハッキリと覚えていますが、

そんな所を見たのは、その一度切りでした。

子供って、両親がいつも仲良くいることを望んでいるのでしょうか。

さて、兄と私は年令が離れており、

兄の反抗期が始まった時、私はとても小さくて、

兄が暴れても呆然と見ているか or 逃げる事しかできませんでした。

しかし、時が過ぎ、大人に近付くに連れて、

私は徐々に兄に反撃するようになっていったのです。

ある日、今まで私にはあまり手を出してこなかった兄が、

右手をグーにして、多少の力加減をしながらも、

何度か私の頬にグーを当ててきました。

そこで、私はとっさに反撃!

兄の顔の真ん中を、右手の爪で引っ掻きました。

結果、兄の鼻に3本線が。

その日、一旦その騒動が収まった後、

兄は鼻の3本の傷に沿ってバンドエイドを3枚貼った顔で来て、

「飲めよ」・・・と、1杯のコーヒーを置いて、すぐに部屋を出て行きました。

初めて兄がこんな事をしたのです。前代未聞!

これは勝手な推測ですが、私に引っ掛かれたことにより、

「何かが心に刺さったのかな?」とも思いました。

それが何かは分からないけれど、とにかく何かが!

「これで彼の中で何かが変わるといいな」

実際その後は、兄が暴れた時に、私と揉み合いになる事はあっても、

二度と私にグーパンチをする事はありませんでした。

でも、実は二番目の「荒くれ者の兄」は、すごく優しい所があり、寂しがり屋さん。

家族や友達の為に、自分の身を削っても一生懸命に頑張ってくれる所がある人なんです。

例えば、兄が小学校の修学旅行に行った時、

お小遣いの殆どを使って、私にお人形を買ってくれた為に、

自分は欲しい物が買えなかったとかいう逸話もあります。

学生の頃には、私が何気なく言った「スキーが欲しいな」と言った一言で、

バイトをして買い、ある日突然「欲しがってただろ」とスキーの一式を持ってきてくれたりして、

私の方がビックリです!兄にそんな事を言った事さえ忘れていたという…。

また、小さな可愛いバックを見つけて、私が買うかどうか迷っていたら、

「買ってやる!」と言ってサッサと会計に持って行ったり、

いつも兄弟の人数分の物を揃えて、知らぬ間に持って来てくれて助けられた場面も数多く、

家族の誰かが出掛けると言うと、いつも率先して車の送迎をしてくれました。

また、うちの子供達を楽しませようと色々な所に連れて行ってくれたり、

みんなにお土産は欠かさない人でしたし、

他にもたくさん、色んな思いやりをもらいました。

本当はすごく優しくて、人の気持ちが分かる人なんです。

仕事も一生懸命な人でしたし。

ただ、兄が優しいのは確かに長所なのですが、ちょっと困った事もあって(笑)

「あの時、俺がお前にやってやった」とか「買ってやったよな」とか「あれは高かったんだ」などと、

兄は何度も人前で自分の功績を言わなければ気が済まない性格で(笑)、

「これを言わないと素晴らしいのになー。惜しいよなー」と私はいつも思っていました。

承認欲求って言うんですかね、それが強い人だったので、

承認されないと暴れたくなるという図式だったのかもしれません。

因みに、2番目の兄は「母の一番のお気に入りだったのに」という但し書きが付きます。

「兄弟の中で、自分が一番母に愛されている」という事実は、反抗期を止める手段にはならない・・・ウチの場合はそうでした。

不思議ですね。

そして!ついに!

兄が暴れるのをキッパリやめる時がきました!

その時、兄は37才になっていました。

何故、やめたか?

私に子供が生まれたからです。

子供が生まれて、しばらく経ったある日、

兄が私に「オレ、暴れるの、やめたの、気付いてた?」と聞いてきました。

私「うーん、そう?」

兄「理央が生まれてから、オレ、一回も暴れてない!」…と偉そうに言いました(笑)

私「あー、そうかもね」

兄「理央に暴れてる所、見せたくないから止めたんだ!」…得意顔してます(笑)

私「そうなんだー」

威張るほどの事じゃないですけどね。

子供の力って凄いです!

ただ、これが自分の子供ではなくて「甥っ子だった」というのが良かったんだと思います。

甥っ子だと、時々会って、可愛くて良い部分しか見ないで済みますから。

世話もしなくて良いし。

泣いたら、私に渡せばいいし。

分からないことは、私に聞けばいいし。

責任がないから「美味しいトコ取り」ができるわけで、

それが良い方向に向いたのかなって思います。

だって、自分の子供だと「可愛い!」だけじゃ済みません。

夜泣きされたり、怪我したり、公園デビューやチッチトレーニングだとか…、

数え切れないほどのタスクが待っていますもん。

もう一つ、甥っ子で良かった点は、

1年を通して度々会える距離に住んでいたからかな。

1年に1回しか会えないような遠くに住んでいる甥っ子だったら、

暴れるのを止められなかったかも?だけど、

度々会えたから、「暴れるのを見られたくない」となったのでは?

・・・何はともあれ、甥っ子の誕生のお陰で、

「荒くれ者の兄」が暴れる事はなくなったというハッピーエンドなお話でした。

だからと言って、決して、彼が聖人君主に豹変したわけじゃあるまいし、

色々な問題も残しつつ、

それでも、とにかく暴れなくなった!という結末を何とか得ることができました。

何かのキッカケって必要なのかもしれません。

長年、誰にも止められなかったものを、一人の赤ちゃんの誕生で止めたという事実。

赤ちゃんには、そんな力があるみたいです。

そして、兄の反抗期を通して私が想うことは、

「どの子にも、必ず良い所がある」

「その子の良い所を何回も何回も呪文のように褒めてあげる」

「子供は両親に褒められるのが一番嬉しい」

「親に褒められて育てられた子は、その後の人生、何があっても強く生きていける」

・・・と、こんな感じかな?

・・・これ、あくまでも、私の自論でしかないですけどね。

兄を通して、こんな風に思わされました。

こんな兄を見て育ってきたので、私が子供を育てている時、

「将来、反抗期になって暴れるのもなら暴れていいよ。私は負けない!」と思っていたのですが、

幸運にもウチの子達はこんな「荒くれ者の反抗期」にはなりませんでした。

兄のお陰かもしれないです。

兄の反抗期の話は、色んな方面でハッピーエンド?!

今回は「世の中には、こんな家庭もあるよ」という、なんて事ない一つの事例です。

       ★Thanks

❖私がペンネームとして名前を借りている「南々斗お兄ちゃん」は、優しい三番目のお兄ちゃんです。

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Nanato

こんにちは。ナナトです。
このBlogは”子供”と“ペット”の面白くて楽しかった話をメインに書いています。

子供を育てることは、一筋縄ではいかないことであり、かと言って「ペットを飼うのはラクか?」と言えば、いえいえ、子育てとはまた違う悩みがあったりもします。

しかし、過ぎてみれば、悩んだ事も苦しかった事も、俯瞰で見ることができるようになり、だからこそ、逆に今、面白くて楽しかったことをポンポン思い出すようになりました。そのプラスの思い出話をここに書いています。また、子育て中に悩んだこと、ペットと暮らす中で困った事なども織り交ぜて。

“日々想うこと”のタグは、私が「ふと思ったこと」を書く日記風。

“English”のタグには、初級者レベルをユルユルで勉強しているので、日常で使えそうだったり「これ、忘れたくないな!」と思った文章を書き留めています。

ペンネームの“ナナト”は、空の彼方に旅立って行ったお兄ちゃんの名前を借りました。
お兄ちゃん、見てくれているかなー。

南々斗